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プロフィール
【名前】
村田守弘
【職業】
公認会計士・税理士
【プロフィール】
1946年生まれ、慶応義塾大学経済学部卒。多国籍企業への国際税務コンサルティング業務に関与。長年国際税務に深く関わる専門家としての経歴を活かし、中小企業の海外税務戦略の水先案内人として、皆様の事業展開に役立つヒントを提案していきます。
【所属】
村田守弘会計事務所
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2012-09-07 (Fri)
生き残るには変われ!「中小企業の海外戦略」その6
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昨年6月〜12月まで、東商新聞に「中小企業の海外戦略 生き残るには変われ!」という内容で連載をしました。記事をこちらでもご紹介します。


第6回 国際税務戦略を策定する場合、租税条約の有効利用がポイント!
                    東商新聞 平成23年11月10日 掲載


―中国やタイとビジネスをする時、租税条約の重要性が指摘されています。租税条約って何ですか。
「租税条約は、正式には『所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のためのA国政府とB国政府の間の条約』です。日本が租税条約を締結している国は、2011年4月現在59カ国です。日本企業が取引をするほとんどの東南アジアの国々と租税条約を締結しています。しかし台湾とは、中国との政治的理由から締結していません。また、タックスヘイブンと呼ばれる国々との間でも通常締結していません」


―租税条約のポイントは、二重課税の回避と脱税の防止にあるようですね。
「その通りです。脱税の防止は読んで字のごとくですが、二重課税の回避は少し解説が要ります。例えば、韓国子会社の株式を事業戦略の観点から売却した場合、売却益に対して日本政府も韓国政府も課税権を主張するでしょう。両方の主張が通れば、二重課税が発生します。そのような問題を避けるための取り決めが租税条約の中でなされます。各国が課す税率も異なりますので、限度税率の設定も租税条約の中でなされています」


―ポイントは分かりましたが、なぜ、各国は競って租税条約を締結するのか分かりません。租税条約締結国との取り引きと非締結国との取り引きで税務上大きな差が生じるのですか。
「そうです。租税条約で定められた限度税率を利用して具体的に説明しましょう。租税条約を結んでいる韓国と結んでいない台湾での、子会社からの配当金を例にとります。配当を送金する際、韓国の税制では22%、台湾では20%の源泉税が課されます。両者の税率は大差ないですが、日韓租税条約によって、韓国の子会社から親会社への配当の源泉税は5%に軽減されます。それぞれの子会社が100の配当をした場合、韓国子会社は、95(=100−5%源泉税)の現金を日本の親会社に送金できますが、台湾子会社は、80(=100−20%源泉税)しか送金できません。実際に配当するとなると大きな差が生じます」


―そのような差があっても、送金された配当に対して日本で課税されて、結局はあまり差が生じないのではないですか。
「海外子会社からの配当の大部分は、一昨年に導入されたわが国の外国子会社配当金益金不算入制度により課税されません。ですから、租税条約で軽減された源泉税はそのまま節税効果があります。また、租税条約で決められる税率は、条約締結国の税率より不利になる税率にしないという基本原則があり、必ず相手国の税率より低くなります。租税条約の源泉税率は5%前後で、最近ではさらに引き下げられる傾向があります」


―租税条約で有利な取り決めのある国で事業をするかは、国際税務戦略上、非常に重要ですね。
「その通りです。二国間取引に固執するのでなく、租税条約が有利に働く国を中継基地にして三国間取引にするなど、節税を考えていく選択もあります」
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