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プロフィール
【名前】
村田守弘
【職業】
公認会計士・税理士
【プロフィール】
1946年生まれ、慶応義塾大学経済学部卒。多国籍企業への国際税務コンサルティング業務に関与。長年国際税務に深く関わる専門家としての経歴を活かし、中小企業の海外税務戦略の水先案内人として、皆様の事業展開に役立つヒントを提案していきます。
【所属】
村田守弘会計事務所
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2012-06-08 (Fri)
生き残るには変われ!「中小企業の海外戦略」その3
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昨年6月〜12月まで、東商新聞に「中小企業の海外戦略 生き残るには変われ!」という内容で連載をしました。記事をこちらでもご紹介します。


第3回 海外顧客開拓に成功!しかし恒久的施設という税の問題!          東商新聞 平成23年8月10日 掲載


―自社にとって海外進出のハードルはかなり高く、海外進出するより輸出することを考えています。国際税務の観点から注意すべき点はありますか。
 「あります。それは輸出先の国で問題にされる税金の取扱いです。恒久的施設(Permanent Establishment)の課税問題です」


―恒久的施設とは何ですか。
 「恒久的施設(以下『PE』)とは税務上の概念で 『事業を行う一定の場所』を言います。PEの代表的なものが営業活動をする海外支店です。その海外支店を通じて行った事業の利益は、海外支店が所在する国で課税されます。しかし、オフィスなどの物理的施設が存在する場合であっても営業活動を行わない駐在員事務所であれば、事業を行う一定の場所に該当しないため課税されません。『PEなければ課税なし』が国際課税の原則です」


―輸出する場合の最大の課題は、新たな取引先の開拓です。そのためにかなりの労力とコストをかける必要があります。新たな取引先開拓のための輸出先での活動は、PEとなりますか。
 「ターゲットとなる国でのマーケティング・販売促進活動を短期出張ベースで行う限り、PEの問題は発生しません。しかし、それらの活動を長期出張ベースで行う場合、PE認定の問題が生じます。また、現地のパートナーを利用した時に生じるPE問題にも注意が必要です。中小企業が独自に海外マーケティング・販売促進活動を行うことは非常に大きな負担となるため、現地の状況に詳しい地元の代理店やブローカーをパートナーとして使う場合があります。このパートナーの活動がPE問題に発展する可能性があります」


―パートナーの活動がPE問題に発展する可能性をもう少し具体的に説明してください。
 「PEの範囲は、国内法で定められていますが、国際税務では取引の相手国との租税条約の定めが優先します。市場として有望な中国の租税条約(抜粋)を例にとります。
 『一方の締約国内(中国)において他方の締約国(日本)の企業に代わって行動する者(パートナー)が次のいずれかの活動を行う場合には、「恒久的施設」を有するものとされる。
(a)当該企業(日本企業)の名において契約を締結する権限を有し、かつ、この権限を反復して行使すること。
(b)専ら又は主として当該企業(日本企業)のため、反復して注文を取得すること』
 この条文によれば、中国のパートナーが日本企業のために常習的に契約の締結をしていた場合、または、契約の締結はしていないが常習的に注文の取得、協議に関わっていた場合、PE認定がされます。
 さらに、タイとの租税条約では、上記に加えて日本企業のために常習的に在庫を保有するパートナーは、PEに含まれます。国際税務では取引相手国との租税条約に注意する必要があります。不注意は、思わぬPE認定、それに基づく課税を招く恐れがあります」
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