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プロフィール
【名前】
村田守弘
【職業】
公認会計士・税理士
【プロフィール】
1946年生まれ、慶応義塾大学経済学部卒。多国籍企業への国際税務コンサルティング業務に関与。長年国際税務に深く関わる専門家としての経歴を活かし、中小企業の海外税務戦略の水先案内人として、皆様の事業展開に役立つヒントを提案していきます。
【所属】
村田守弘会計事務所
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2012-05-11 (Fri)
生き残るには変われ!「中小企業の海外戦略」その2
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昨年6月〜12月まで、東商新聞に「中小企業の海外戦略 生き残るには変われ!」という内容で連載をしました。記事をこちらでもご紹介します。


第2回 海外進出成功!しかし移転価格税制という問題!(その2)       東商新聞 平成23年7月10日 掲載


−独立企業間価格は誰が決めるかは、理解できました。それでは、独立企業間価格はどのようにして決めるのですか。
「親会社Aが海外子会社Bに製品Xを販売している場合、AはXと同様な製品を売買している同業他社を見つけてこなければなりません。この同業他社を『比較対象企業』と呼びます。そして、その企業が行なった取引を『比較対象取引』といいます。比較対象取引の取引価格、あるいはその取引から生じる利益率を『独立企業間価格』と呼びます。比較対象企業Cが製品Xを第三者に80万円で販売したら、80万円が独立企業間価格になります。注意する点は、比較対象企業Cの取引の相手先が自分の子会社の場合、独立企業間価格になりません」

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−単に同業他社を見つけてくれば良いのであれば、課税庁と納税者の間で独立企業間価格に大きな相違は生じないのでは。
「ご存じのように、商取引は相手や時期によって条件が異なります。多く買ってくれる顧客には値引きをするでしょうし、急な注文で納期が短い場合はいつもより上乗せした価格で売るでしょう。類似性をどこまで求めるかで、選ぶ比較対象企業・取引は変わってきます。今までの経験ですと、課税庁は、比較可能性に『すべてにおいて同じ』であることを求めていました。このような条件を満たす比較対象企業・取引を見つけ出すことは至難の業です。企業が努力して見つけてきた比較対象取引を課税庁が否定して、課税庁が定めた独立企業間価格を用いて課税することになり、企業が納得できずに異議を申立てるという結果になるのが従来のパターンでした」

−誰でも納得できる独立企業間価格を算定することは不可能のように思えてきました。移転価格税制が海外進出をしようとしている中小企業の前に大きく立ちはだかるようですが。
「しかし、移転価格税制での比較可能性は、必ずしも『同じ』である必要はないのです。『似ている(類似)』ことを求めているのです。比較対象企業の第三者向け取引と、納税者の海外子会社向け取引が似ている取引であれば比較対象取引です。朗報は、行き過ぎた移転価格課税に対する反省の機運が課税庁に生まれています。『似ている』ことを認め始め、似ている取引であれば、一つに絞り込む必要はないのです。そのため、選んだ比較対象取引の数だけ、取引価格や取引から生じる利益率が存在することになります」

−それでは、複数の取引価格の平均値が独立企業間価格になるのですか。
「平均値はあまり合理的でなく、1つの取引に絞り込むことも課税の合理性を損ねてしまいますので、その価格群の幅をもって独立企業間価格とすることが妥当です。この「幅」の概念が、初めて本年度の税制改正大綱で明記されたことから、今後の移転価格税制において「幅」の概念が織り込まれると予想されます。納税者と課税庁が考える独立企業間価格がある一定の範囲に収まることが可能となります」
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