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プロフィール
【名前】
村田守弘
【職業】
公認会計士・税理士
【プロフィール】
1946年生まれ、慶応義塾大学経済学部卒。多国籍企業への国際税務コンサルティング業務に関与。長年国際税務に深く関わる専門家としての経歴を活かし、中小企業の海外税務戦略の水先案内人として、皆様の事業展開に役立つヒントを提案していきます。
【所属】
村田守弘会計事務所
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2012-04-06 (Fri)
生き残るには変われ!「中小企業の海外戦略」その1
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昨年6月〜12月まで、東商新聞に「中小企業の海外戦略 生き残るには変われ!」という内容で連載をしました。記事をこちらでもご紹介します。


第1回 海外進出成功!しかし移転価格税制という問題!(その1)      東商新聞 平成23年6月10日 掲載


 3月11日に発生した東日本大震災の被害は、地震、津波に被災された企業のみならず、福島第一原発の事故により計画停電、電力不足という形で、関東地方にある多くの企業にも被害を及ぼしました。福島原発事故が起因となって生じる電力不足は、短期的には解消されないでしょう。東商のメンバーである中小企業の経営者の皆さまにとっても、海外進出や輸出による外需の取り込みを検討しはじめたのではないでしょうか。そのためには、多くの中小企業はビジネスモデルを変更する必要があるでしょう。

 【生き残るには変われ】をテーマにして6回の連載を予定しております。そのテーマを私の専門分野である関税・国際税務を絡めて議論していきます。今回は、【海外進出成功!しかし移転価格税制という問題!】です。

−今年の4月、ある繊維会社が東京国税局の税務調査で2004年度から09年度の6年間で申告漏れを指摘され、法人税約32億円を追徴されたとの新聞報道がありました。米国子会社に販売した炭素繊維複合材料取引が問題になったそうですが、この取引のどこが問題なのでしょう。
「通常考えられる価格より安く米国子会社に販売したと判定し、それを問題にしたのです」

−子会社相手の取引なのですから、いくらで売買してもかまわないのではないですか。
「そう思うのは当然ですが、実はダメなのです。その疑問を解くカギは『移転価格税制』です。移転価格税制をひと言で解説すれば、『あるべき移転価格で海外子会社と取引すること』を求める税制です。あるべき移転価格とは、親会社のみならず輸出入取引に関係する海外子会社それぞれが適正な利益を確保できる親会社・海外子会社間の取引価格をいいます。これを税法では、独立企業間価格と呼んでいます」

−独立企業間価格について教えてください。
「親会社Aが海外子会社Bに製品Xを販売したとします。Xの通常の価格が100万円だったにもかかわらず、AはBに50万円で売りました。この時、Aの利益は通常より50万円少なくなります。それだけAの所得が過少に申告されます。取りそこなった所得をBに請求できれば良いのですが、Bは海外にあるため、日本の税務当局には出来ません。そこで独立企業間価格という概念を持ち出して、50万円でなく100万円でAはBへXを販売したとみなし、差額をAの所得に加算して、税を追徴します」

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−独立企業間価格は、誰がどのようにして決めるのですか。
「これは悩ましい質問です。まず、誰が決めるのかを説明すると、独立企業間価格は課税庁が決めています。しかし、その独立企業間価格に納得できず異議を申し立てる場合、申し立てが認められるためには、課税庁が採用した独立企業間価格は妥当でないと反証できる独立企業間価格を算定する必要があります。別の言い方をすれば、あるべき移転価格の立証責任は企業側にあります。
 独立企業間価格は、どのようにして決めるかは次号で説明します」
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