TOP | 売上げアップ | 人材・社員・経営者 | 資金・税金 | 経費・コスト削減 | IT化・情報化 | 経営事業計画 | 技術・知的財産 | オフィス・店舗・設備 | 国際化・海外進出

プロフィール
【名前】
鈴木公明
【職業】
東京理科大学 知的財産専門職大学院 教授
東和知的財産研究所 所長
弁理士
【プロフィール】
1990年東京大学卒業、キヤノン(株)知的財産法務本部を経て特許庁入庁。制度改正審議室、特許・実用新案審査、意匠審査等を歴任後、2005年より現職。 2006年より不正競争防止法違反物品水際対策懇談会委員。 2007年弁理士登録。 2009年より東和知的財産研究所所長。 著書に『知的財産のデューデリ』(編著)、『特許価値評価モデル(PatVM)』(共著)、『知財戦略の基本と仕組み(編著)、『知財評価の基本と仕組み』、『IT知財と法務』(共著)、『知的財産の価値評価』、『工業所有権法逐条解説』(部分執筆)など。 論文、講演多数。
【所属】
東京理科大学/東和知的財産研究所
【性別】
男性
コラムカテゴリ
お気に入りリンク
2013-10-11 (Fri)
企業の競争力強化に資する イノベーション(2)
2. 経営戦略論の視点

 経営戦略論の分野においては、市場構造分析と最適資源配分に着目するマイケルE. ポーターの理念に対して、1990年代後半以降、企業内部の経営資源を重視するジェイB. バーニーらが提唱してきたリソース・ベースド・ビュー(RBV)において、技術等の知的資産の重要性に対する問題意識を見出すことができます。RBVにおいては、企業が経営資源(財務資本、物的資本、人的資本、組織資本)の束とみなされ、企業ごとにその経営資源が特異性を有する点に注目し、経済価値、希少性、模倣困難性および組織の観点からこれらの経営資源を評価することにより、優良企業が有する独自の強み・弱みを把握します。
 
 このようなRBVの視点により、マネジメントの対象とすべき組織内部の経営資源という知的資産の位置づけが明確にされました。バーニーは、例えば特許について、製薬業界やインスタント写真市場における特許は、他社の追随に対するコスト上昇要因として強みになりますが、特許出願による技術情報の開示が、他社の模倣コストを下げる効果があり弱みともなり得る点を指摘しています。

  
3. 知的資本経営
  
 1990年代末にリーフ・エドビンソン、ゴードン・ペトラッシュらが知的資本モデルを提唱しました(図1)。
 
図1
図1:知的資本モデル
(出所)Patrick H. Sullivan, "Profiting from Intellectual  Capital:Extracting Value from Innovation, Wiley(1998)p207
   
 この知的資本モデルによれば、知的資本を構成する構造資本、人的資本、顧客資本相互の情報の流れの交点に、適切なナレッジマネジメントが加わることで、財務資本(価値)が生まれるとされます。エドビンソンらの知的資本モデルは、RBVの系譜に連なるものと位置づけることができます。
  
 エドビンソンらは、将来進むべき道を示唆するツールとしてスカンディア・ナビゲーション(図2)を示し、知的資本という見えざる資産を将来のためにマネジメントするためには、伝統的な財務指標だけでは足りないとする立場から、5つの焦点ごとに様々な非財務的指標を提唱しました。
 
図2
図2:スカンディア・ナビゲーター
(出所)リーフ・エドビンソン,マイケル・S・マローン「インテレクチュアル・キャピタル(知的資本)」日本能率協会マネジメントセンター(1999)p91 
 
(つづく)
<<前の記事   10月の すべて表示 リスト   次の記事>>
2013年10月
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
今までのコラム
売上アップカテゴリ
(UTF8)