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プロフィール
【名前】
鈴木公明
【職業】
東京理科大学 知的財産専門職大学院 教授
東和知的財産研究所 所長
弁理士
【プロフィール】
1990年東京大学卒業、キヤノン(株)知的財産法務本部を経て特許庁入庁。制度改正審議室、特許・実用新案審査、意匠審査等を歴任後、2005年より現職。 2006年より不正競争防止法違反物品水際対策懇談会委員。 2007年弁理士登録。 2009年より東和知的財産研究所所長。 著書に『知的財産のデューデリ』(編著)、『特許価値評価モデル(PatVM)』(共著)、『知財戦略の基本と仕組み(編著)、『知財評価の基本と仕組み』、『IT知財と法務』(共著)、『知的財産の価値評価』、『工業所有権法逐条解説』(部分執筆)など。 論文、講演多数。
【所属】
東京理科大学/東和知的財産研究所
【性別】
男性
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2009-09-06 (Sun)
「マイケル・ジャクソン」の証券化
近年何かと話題になっているマイケル・ジャクソン氏は、1985年にビートルズの250曲を含む膨大な数の著作権(音楽出版権)を4,700万ドルで買い取り、ATVミュージック・パブリッシングのオーナーとなりました。同社はその後も音楽出版権の取得を続け、1993年までに累計4臆ドル以上を支払ってビートルズ、エルビス・プレスリー、リトル・リチャードなどの4,000曲以上の音楽出版権を取得した結果、そこから得られる年間収益が3,000万ドルもあったそうです。

 1995年には、ATVミュージック・パブリッシング社とソニー・ミュージック・パブリッシング社とが合併してソニー/ATVミュージック・パブリッシング社となり、世界で3番目に大きい音楽出版社になりました。

 この当時、知的財産専門の投資銀行であるUCCキャピタル(旧CAKユニバーサル・クレジット)は、マイケル・ジャクソンが所有するビートルズ、ボブ・ディラン、オアシス、ウィリー・ネルソン、シンディ・ローパー、パール・ジャム、レオナルド・コーエンその他のミュージシャンに関する音楽出版権によって生み出されるロイヤルティ収益の証券化を計画していると報道されましたが、結果的には、マイケル・ジャクソンが新会社の株式の50%を所有するとともに、総額1億1,000万ドルをソニーから受け取る取引となりました。これは、1998年に新会社に移管される音楽出版権の大部分が、もともとATV側の権利であって、ソニー側の収益はそれらの権利に基づく音楽出版事業等によって得られるからです。

 この話は、わが国でも「マイケル・ジャクソン・ファンドが設立される」とか、「債券を発行して、マイケルが自分を証券化する」などと報道されて話題になりました。著作権を証券化するには至りませんでしたが、著作権が生み出すキャッシュフローの莫大な価値を実感することのできる事例だと思います。

 筆者を知財ファイナンスの世界に導いてくれたマイケル・ジャクソン氏のご冥福をお祈りします。
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