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プロフィール
【名前】
佐藤 勝
【職業】
有明国際特許事務所 所長
米国弁護士・弁理士
【プロフィール】
東北大学理学部卒業後、大手印刷会社、国内特許事務所を経て、1991年から1997年の間でJacobson, Price, Holman & Stern 法律事務所(Washington D.C.)、Rabin & Berdo, P.C. 法律事務所(Washington D.C.)、 Hill & Simpson 法律事務所(Chicago)の各法律事務所に勤務。
1999年、東京に「有明国際特許事務所」を開設し、特許、商標、意匠・実用新案の各種手続きや、米国知的財産法コンサルティングを行っている。
登録国際化専門指導員(国際化支援アドバイザー)であり、日本弁理士会、日本国際知的財産保護協会、アジア弁理士会、日本商標協会、米国法曹協会、イリノイ州法曹協会、米国知的財産法協会、国際商標協会などの会員でもある。
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2006-06-15 (Thu)
“TM”と“SM”と“registration symbol”、“登録商標第〜号”の違いについて
商標登録された場合、必ず商標登録番号が付与されます。そして、登録された商標を使用する場合には、それが登録商標であることを示す表示をすることが望ましいとされていて(商標法第73条)、規則では“登録商標”の文字と登録番号(第○○○○○号)の組み合わせで表示するのが正しい商標登録表示(即ち、“登録商標第○○○○○号”)とされています。必ず表示しないといけないのかと言うとそうではなく、そのように努めれば良いだけで、無くても特に罰則はありません。また、このような表示が無くとも、他人による商標権の侵害があった場合には権利行使が可能です。


登録されていないにも拘わらず、或るマーク(専門的には標章と言います)に商標登録表示をすることは、虚偽表示になるとして禁止されています(商標法第74条)。ここで虚偽表示になるものとして禁止されているものは、商標登録表示だけではなく、これと紛らわしい表示を付することも禁止されています。このような虚偽表示を行った場合、刑事罰の適用があり、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されることになります。


以上が、日本の商標法でのルールであり、“TM”と“SM”と“®”については実は日本の法律の枠内には特に規定がありません。では、どこに規定があるのでしょうか?

letterr
先ず、“®”はregistration symbol と呼ばれ、その1つの根拠が米国商標法のSection 1111にあり、条文上“®”は“the letter R enclosed within a circle”と言う表現で、“Registered in U.S. Patent and Trademark Office”若しくは“Reg. U.S.Pat. & Tm. Off.”と同じ意味を持つことが示されています。即ち、“®”は米国特許商標庁で登録されたと言う意味を持つものとされています。
このような表示を行う理由は、それを無断で使用する者を辞めさせる警告として機能することが挙げられていて、これらの“®”などの表示もなく、単に登録されているという事実(Constructive Notice)だけでは損害賠償などの請求ができないように規定されています。また、米国特許商標庁での登録前にこれらの“®”などの表示を付することが不適切とされています。


では、“TM”と“SM”は何を示すものでしょうか?米国特許商標庁が発行した“Basic Facts About Trademarks”と言う冊子によると、誰でも標章についてこれが商品についてのマークだと思う方は“TM”(trademark)を付し、サービス(役務)についてのマークだと思う方は“SM”(service mark)を付して、一般の人にそのような主張を知らせることができるというように記載されています。
また、これらの“TM”と“SM”を使用するのに特に登録は必要ではなく、出願中である必要もありません。さらに、その主張は有効かも知れませんが無効かも知れません。要するに、特に規定はなく、自分で主観的にマークと思えば“TM”や“SM”を付することができ、それ自体は特に何かに保証されるものでもないと言うことになります。
この“TM”と“SM”については、米国での解説ですが、日本にも特に規定がないことから自分で主観的にマークと思えば使用できると思われます。


日本で“®”のマークを登録していない商標に使用した場合はどうなるのとのご質問も良くいただきますが、結論から言えば、マルアールマークはアメリカでの話なので直接日本の刑事罰の適用まではないものと思います。
もし仮に虚偽表示成立とするならば、輸入業者はアメリカでは正式に登録されていても日本で商標登録のないマルアールマークの付いた商品を輸入することだけで懲役や罰金刑に処されることになり、流通を阻害することにもなりかねません。
マルアールマークを見た消費者は、どうやら登録はされているらしいけど、それは日本かも知れないしどこかの外国かもしれないと認識するのが一般的なところと思いますし、日本での登録があると多くの人が過って認識するほどの表示(商標法73、74条の“登録商標”は日本での登録を言っていて外国の登録については条文の適用外と解される)ではないため、反対説(逆に多くの人が日本の登録があるものと誤認する場合は有力)もありますが、現状では商標法第74条の紛らわしい表示には該当しないと解釈されると思います。
しかしながら、商品やサービスの国際化が進む今日では、登録を以って®を付与するのが消費者を惑わせない適切な表示と思います。


以上のように、標章部分に付加されるシンボルや商標登録表示には、種々のものがあり、また、使用する国でもそのルールが異なります。商標権は国ごとに取得するものですから、商品の輸出や輸入を伴う場合には注意が必要となります。
ちなみに、米国で“trademark”は1ワードですが、“service mark”は2ワードです。ところが英国の英語では、商標は通常“trade mark”の2ワードとなります。何と日本では“trademark”も“service mark”も併せて“商標”と言う括りでまとめられています。
これは“service mark”の方が最近登録可能となり、商標法の条文の全面書き直しを避けて、まとめて“商標”として扱うことにしたためです。




有明国際特許事務所「“TM”と“SM”と“®”、“登録商標第〜号”の違いについて」より転載承諾済
http://www1.neweb.ne.jp/wa/bestpat/tmsm1.htm"
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